翌日、私はノートと万年筆、それに聖書を持って、会合の場所に行きました。宇宙船は時間通りに再び現れ、あの小さな男の人に再び対面しました。彼は私を宇宙船の中に招き入れ、座り心地のよい椅子に腰掛けさせました。
私は、このことについては誰にも、最も親しい友人にさえも、ひと言も漏していませんでした。彼は、私の分別ある行動を知って喜びました。私にノートを取るように勧めると、彼は話し始めました。
遥か彼方にある私たちの惑星では、あなたがたが間もなく到達するであろう科学技術の水準に、ずっと昔に達していました。私たちの科学者たちは、生命の根源となる胚の形態を創り始めました。試験管の中の生きた細胞です。それには誰だれもが、「興奮」しました。科学者たちが、彼らの技術を完成させ、奇妙な小動物を創り始めた段階で、私たちの惑星世論と政府は、科学者たちに、生物実験の続行禁止と、社会に危害をもたらす可能性のある怪物の創造禁止を命じました。実際に、それらの小動物の中には逃げ出した物もあり、数人の犠牲者が出ました。
一方これと並行して、他の惑星や銀河系の探査も進められていて、科学者たちは、彼らの実験を追求するのに必要な条件をほぼ兼ね備えている、遠くの惑星へと出発することにしました。彼らの選んだ惑星が、あなたがたの住んでいる地球です。
さて、ここで聖書を見て下さい。聖書の中には、真実の痕跡が見つかるのです。その痕跡はもちろん、転写した人たちによってやや歪められてはいます。というのも、彼らには、高度に技術的なものを想像することができなかったので、そのためにすべての記述が、神秘的で超自然的なものになってしまったのです。
聖書の中では、これから私があなたに解釈してあげる部分だけが重要です。他の部分は詩的な戯言なので、それについては触れないことにします。
とはいっても、聖書を書き写す際には、どんな小さな印ですら全く改変してはならないという決まりのおかげで、数千年も経つ間に神秘主義的で役立たない文章だらけになっているにも関わらず、深遠な意味が元のままに残されているということが分かるでしょう。
まず、『創世記』の第 1 章から始めましょう。

初めに、エロヒムは天と地とを創造された。『創世記』1章1節
聖書によっては、「エロヒム」は「神」と誤訳されているものがありますが、エロヒムとは、ヘブライ語で「天空より飛来した人々」の意味を持ち、れっきとした複数形です。これは、私たちの世界からの科学者たちが、彼らの計画を十分に実現するのに相応しい惑星を探し求めた、ということを意味しています。
彼らが地球を「創造した」というよりは、地球を発見し、その大気は彼らの惑星とは全く同じではないが、人工的な生命創造に必要な要素を、すべて備えているということが分かったのです。
エロヒムの霊が、水の面を動いていた。『創世記』1章2節
科学者たちは探査飛行を実施して、地球の組成と大気を研究するために、地球の周りに、あなたがたの言う人工衛星のようなものを配置しました。当時の地球は、水と濃密な霧にすっぽりと包まれていたのです。
エロヒムは、その光を見て良しとされた。『創世記』1章4節
地球上に生命を創造するためには、太陽が地表に、有害な光線を放射していないかどうかを知ることが重要でした。そしてこの問題点は調査され、太陽が有害な光線を放射することなく、地球を適切に暖めていることが分かりました。「その光は良かった」のです。
夕となり、また朝となった。第一日である。『創世記』1章5節
こうした調査には、かなりの時間がかかりました。ここで言う「 一日」とは、あなたがたの太陽が、春分の日に同じ印のもとに昇る期間に対応しています。言い換えると、地球上でのほぼ2000年間に相当します。
彼は、大空の下の水と、大空の上の水とを分けられた。『創世記』1章7節
雲の上の宇宙線について調査したあと、科学者たちはその雲の下へと降りて行きましたが、水の上に留まっていました。すなわち、大空の上の水、つまり雲と、下の水、つまり地表のすべてを覆っている大洋、との間にです。
天の下の水は一つ所に集まり、乾かわいたところが現れよ。『創世記』1章9節
大洋の海面を調査したあと、彼らは海底を調査し、海がそれほど深くはなくて、水深はどこでもほぼ同じだということを知りました。そこで彼らは、ブルドーザーに似た働きをする、非常に強力な爆発を仕掛け、海底から物質を盛り上げて一カ所に積み重ね、大陸を形成するようにしました。
ですから元々は、地球には一つの大陸しかなかったのです。地球の科学者たちも、すべての大陸が互いにピッタリと当てはまって、一つの大陸を形づくっていたことを知るようになっています。
地は、青草と、種をもつ草と、種類にしたがって種のある実を結ぶ果樹とを、地の上に生えさせよ。『創世記』1章11節
科学者たちは、この素晴らしく巨大な実験場で、全くの化学物質だけから、植物の細胞を創造しました。これにより、すべての種類の植物が得られたのです。彼らの努力のすべては生殖に重点が置かれました。彼らが最初に創り出した草木の苗は、繁殖できるものでなくてはならなかったのです。
科学者たちは小さな調査グループに分かれ、この広大な大陸の四方に散らばって行きました。そして各人は、それぞれの気候に応じて、また自分の閃きに従って、様々な植物を創造したのです。彼らは、各自の研究と創造物を比較検討するため、定期的に会合を開きました。

遠くにある彼らの惑星では、彼らの仕事を驚嘆と熱情をもって見守っていました。ある種の植物を、見た目にしろ香りにしろ、もっぱら美しく好ましいものとするために、最も優れた芸術家たちも、科学者の仲間に加わりました。
天の大空に光るものがあって、昼と夜とを分け、印のため、季節のため、日のため、年のためになれ。『創世記』1章14節
科学者たちは星と太陽を観測することによって、地球における1日、1カ月、そして1年の長さを測定することができました。これは、科学者たちが、彼らの惑星とは全く違うこの新しい惑星に、自分たちの生活を適応させるのに役立ちました。1日の長さも、1年の長さも、彼らの惑星とは非常に異なっていたからです。また天文学的な研究によって、自分たちを正確に位置づけ、地球をより良く理解することも可能になりました。
水は生き物の群れで満ち、鳥は地の上、天の大空を飛べ。『創世記』1章20節
科学者たちは、次に、最初の水棲動物を創造しました。プランクトンから小魚へ。そして、もっと大きな魚へと。この小世界が平衡を保つように、また死に絶えることがないように、彼らは小魚が食べる藻類や、その小魚を食べるもっと大きな魚などを創造しました。
こうすることで自然界のバランスを維持し、ある種が別の種に食べられて、完全に滅亡することがないようにしたのです。これは現在、あなたがたがエコロジー(生態学)と呼んでいるものに相当します。そして、科学者たちは成功を収めました。
彼らはしばしば会合を設けて、最も美しい動物、あるいは最も興味深い動物を創造した科学者チームが、どのチームであるかを決めるために、コンクールを開きました。
彼らが魚の次に創造したのが鳥です。この鳥類の創造は、奇抜な色彩の、驚くような形の生き物を創ることに楽しみを見いだした、芸術家たちからの意見に圧されて行われたと、言っておく必要があります。中には、美しい羽を持っていても、それが邪魔になって満足に飛べない鳥があるほどでした。
このコンクールはさらに発展し、形態の次には、これらの動物の行動も交尾の前に変化させるようになりました。それが今なお、見事な求愛ダンスです。

一方、他の科学者チームは、恐ろしい動物、すなわち、正に怪物のような動物を創造しました。それが、彼らの惑星で、科学者たちの創造計画に反対していた人たちの意見が正しかった、という証明になってしまった、あの怪物。あなたがたがディノザウルスとか、ブロントザウルスとか呼んでいる恐竜類のことです。
地は生き物を、種類にしたがって産み出せ。家畜と、這うものと、地の獣とを、種類にしたがって産み出せ。『創世記』1章24節
海と空の生物の次に、科学者たちは大地の動物を創造しました。その時までには、大地には植物が繁茂していたので、草食動物の餌がありました。これが創造された最初の陸上動物でした。そのあとで、草食動物の数のバランスを取るために肉食動物が創られました。この場合も、種同士のバランスを保たせる必要がありました。
これらのことに携わった科学者たちは、私のいる惑星から来たのです。私は、地球に生命を創り出した人々の一員です。
さてそれから、私たちの中で最も有能な人たちは、私たちと同じような人間を、人工的に創造しようとしました。それぞれのチームが作業に従事し、間もなく互いの創造物を比較できるようになりました。
しかし、パニックを引き起こすことになりうる「試験管ベビー」を創っていることに、私たちの惑星の人々は憤慨しました。もしも、その人間の能力、あるいは力が、創造者のそれを上回ることにでもなれば、脅威になると恐れたからです。
そこで私たちは、人間には科学的なことは一切知らせずに、原始的な状態で生存させるようにし、また、私たちの活動を神秘化せざるを得ませんでした。
この創造者たちのチームがいくつあったかは、すぐに分かります。それぞれの人種が、創造者たちのチームの各々に対応しているのですから。
我々に象り、我々に似せて人を造ろう。これに海の魚と、空の鳥と、家畜と、地のすべての獣と、地のすべての這うものとを支配させよう。『創世記』1章26節
私たちの姿に似せて──。驚くほど良く似ていることが、あなたにも分かりますね。
ここから、私たちにとっていくつかの問題が起こってきました。
当初の大陸では、ギリシャとトルコからさほど離れていなかった、現在イスラエルと呼ばれている地域にいたチームは、最高のチームと言えるほどの非常に優れたチームでした。その地の動物は最も美しく、その地の植物は最も芳しいものでした。あなたがたの言う地上の楽園とは、この地のことだったのです。
この地で創造された人間が、最も高い知性を備えていました。そこで、創造者たちは、自分たちの創造物が、その創造者たちを凌がないように措置を講じなければなりませんでした。その知性を計るために教育を施しながら、同時に偉大な科学の秘密には、創造物を無知のままにしておく必要があったのです。

あなたは、園のすべての木から取って食べなさい。ただし、善悪の知識の木からは決して食べてはならない。それを食べると、必ず死んでしまう。『創世記』2章16・17節
これは、次のように言い換えることができます。「お前は、私たちがここに置いてある書物を自由に読んで、欲することは何でも学んでよろしい。しかし、死にたくないのなら、科学の書には手を触れてはならない」と。
エロヒムは、すべての獣を人の所へ連れてきて、彼が、それにどんな名を付けるかを見られた。『創世記』2章19節
人間は、周囲の植物と動物について、その生活様式、そこから食物を得る方法を、十分に理解しなければなりませんでした。創造者たちは、人間に、周りの生き物のすべての名称と、それぞれの持つ力とについて教えました。植物学と動物学は、彼らにとっては危険ではなかったからです。
男女ふたりの子供が駆け回っていて、その子供たちにあらゆる種類の事柄を熱心に教えていたのですから、この科学者チームがどんなに喜んだかを想像してみて下さい。
へびは女に言った……園の中央にある木の実については……あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、エロヒムは知っておられるのです。
『創世記』3章1〜5節
このチームの全科学者の中には、自分たちの「創造物」である小さな人間に、深い愛を感じている人たちがいました。彼らは、この子供たちに完全な知識を授けて、自分たちのような科学者にしたいと考えていました。彼らは、間もなく成人になるこの若者たちに、科学を学べば、創造者と同じように有能になれると語りました。
すると、ふたりの目が開け、自分たちが裸はだかであることが分かった。『創世記』3章7節
こうして人間は、自分たちも創造者になれることを知りました。そして、彼らの両親たちが彼らに科学の書に触れることを禁じ、自分たちをまるで、実験室の危険な動物のように見なしていたことを恨みました。
エロヒムの中のヤーウェは、へびに言われた。おまえは……最も呪われる。おまえは腹で這い歩き、一生、塵を食べるであろう。『創世記』3章14節
「アダムとイヴ」に真実を教えようとした、この創造者の中の小グループ〝へび〟は、他の創造者たちが実験を止めて地球を去ることになったのに対し、彼らの惑星政府から有罪の宣告を受けて追放され、地球で暮らすようになったのです。
エロヒムは、人とその妻とのために皮の着物を作って、彼らに着せられた。『創世記』3章21節
創造者たちは、人間に初歩的な生存手段を与えて、創造者たちとは接触をせずに、何とかやっていくように仕向けました。聖書のこの部分は、原典の文章をほぼ完全に保っています。
見よ、人は科学のおかげで、我々のひとりのようになった……今、彼は手を伸べ、生命の樹からも取って食べ、永遠に生きることのないようにしなければならない。『創世記』3章22節
人間の生命は非常に短いですが、それを延ばす科学的な方法があります。生涯にわたって研究を続ける科学者は、年老いるにつれて深い知識と知恵を身につけ、興味深い発見をするものです。人間の進歩が遅々としているのは、寿命が短いせいです。
もし人間の寿命が10倍になったら、科学的に素晴らしい飛躍をすることでしょう。もし最初から、人の寿命がそれほど長かったならば、人間の能力は私たちをわずかに上回っているので、非常に早く私たちと同等になっていたことでしょう。人間は自分たちの秘めている可能性を知らないのです。
特にイスラエルの民は、前にお話ししたコンクールの一つにおいて、科学審査委員会により、その知性と資質が、地球上で最も成功を収めるタイプの人間として選ばれたのです。
彼らがいつも、〝神の選民 〟と見なされてきたのはこのためです。確かに彼らは、各チームの創造作品を判定するために集まった、創造者たちのチームによって選ばれた民です。この人種が生み出してきた天才の数から、このことを確かめることができるでしょう。
彼は人を追い出し、エデンの園の東に、ケルビムと回る炎の剣とを置いて、生命の樹への道を守らせた。『創世記』3章24節
創造者たちの住まいの入口に、原子分解兵器を持った兵士たちを配置して、人間が他の科学知識を盗みに来るのを防いだのです。
日が経って、カインは地の産物を持ってきて、ヤーウェに供え物とした。アベルもまた、その群れの初子と肥こえたものとを持ってきた。『創世記』4章3・4節)
追放された創造者たちは、軍隊の監視のもとに地球に留まっていました。彼らは、自分たちの創造した人間が善良であり、父たちに決して反抗しないことを上位の人たちに示すために、人間たちに食物を持って来るように仕向けました。

このようにして、初めの頃の人間の指導者たちに対しては、「生命の樹」の恩恵けいが授けられるように許可を取りました。彼らが非常に長生きしたのはこのためです。アダムが930歳まで生き、セツが912歳、エノスが905歳と、そのような身分であったことが『創世記』の5章1〜11節にあります。
人が地の面おもてに増え始めて、娘たちが彼らに生まれたとき、エロヒムの息子たちは、人の娘たちの美しいのを見て、自分の好む者を妻に娶った。『創世記』6章1・2節
追放された創造者たちは、最も美しい人間の娘たちを彼らの妻にしました。
私の霊は、永く人の中には留まらない。彼は肉にすぎないのだから。さらに、彼の一生は120年にしよう。『創世記』6章3節
長寿は遺伝しませんので、人間の子供たちは、自動的に「生命の樹」の恩恵に浴すわけにはいきませんでした。彼方の惑星の政府当局は、このことで大いに慰められたものです。こうして秘密は失われ、人間の進歩は緩慢なものになりました。
エロヒムの息子たちが人の娘たちのところに入り、娘たちに産ませた子供である彼らは、昔の勇士であり、有名な人々であった。『創世記』6章4節
これは創造者たちが、自分たちの姿に似せて創造した人間の娘たちとの性的な結びつきで、特別に優れた子供たちを産ませることができた、という証拠です。
彼方の惑星にいる者の目から見ると、このことは危険極まりないものでした。地球上の科学の進歩が桁外れなものとなったため、彼方の惑星の者たちは、彼らの創造したものを破壊することに決めました。
ヤーウェは、人の悪が地上にはびこり、すべてその心に思い図ることが、いつも悪いことばかりであるのを見られた。『創世記』6章5節
ここでいう悪とは、人間たちが科学的に自立し、創造者たちと同等になろうとする欲望のことであり、エロヒムの惑星の人たちにとっての善とは、人間が原始的な存在のままで細々と生きることでした。悪とは、人間が進歩を望み、それによっていつの日か、人間が創造者たちに追いつく危険が生じることでした。
こうして、彼方の惑わくせい星政府は、核ミサイルを発射して地球上の全生命を破壊しようと決定したのです。ところが、追放された創造者たちは事前にそのことを知り、ノアに命じてロケットを建造させました。この中に、保護すべき各々の種をひと番ずつ収容して、大災害が起こっている間、地球の周囲を回らせたのです。

とはいっても、これは比喩としての表現です。実際には、あなたがたの科学知識でも、もうすぐ分かりますが、各々の種のオスとメスの生きた細胞が一つずつあれば、生命体の全体を再生できるのです。母親の胎内の、胎児の生きた初期細胞のようなものでさえ、いつの日か人間を形づくるためのあらゆる情報を、眼の色や髪の毛の色に至るまで、すでに備えているのですから。
この作業は、実に途方もない、大がかりなものでしたが、どうにか期限内までに達成されました。爆発が起きた時は、生命は地球から何千キロメートルも離れた上空で保存されていたのです。大陸は巨大な津波に襲われて海中に沈み、地表のあらゆる生命は死に絶えました。
方舟は、地から高く上がった。『創世記』7章17節
方舟が上がったのは地からであって、水からではないところが上手い表現だということが分かるでしょう。次に、危険な降下物がすっかり無くなるまで、待つ必要がありました。
水は150日の間、地上で勢いを失わなかった。『創世記』7章24節
三層式のロケットは、地上に着陸しました。その内部には、ノアの他に、地球上のすべての人種が、ひと組ずつ乗り込んでいました。
一階と二階と三階を造りなさい。『創世記』6章16節
エロヒムは、ノアを心に留められた……エロヒムが風を地の上に吹かせられたので、水が減り始めた。『創世記』8章1節
創造者たちは放射能の検査を行って、それを科学的に消滅させたあと、大気が生存に耐えられるものとなったかどうかを知るために、動物たちを外に出すようノアに命じました。それは上手くいき、動物たちはその外気の中に出ることができました。
創造者たちは人間の生存者たちに、彼らを創造し破滅めつから救った恩人に対して、感謝しながら働いて繁殖していくことを要求しました。ノアは、創造者たちの生存のために、あらゆる収穫物や飼育物の一部を納めることを約束しました。
ノアは、ヤーウェのために祭壇を築き、すべての清い獣と、すべての清い鳥とのうちから取って、燔祭を祭壇の上に捧げた。『創世記』8章20節
創造者たちは、人間が自分たちに好意を抱いているのを見て喜び、将来、自分たちの創造したものを滅ぼすようなことは決してしない、と誓ったのでした。というのは、彼らは、人間が進歩を望むのは当然だと理解したからです。
人が心に思い図ることは悪い。『創世記』8章21節
人間が目的とするのは科学的な進歩です。それぞれの人種は、創造された場所に再び置かれ、あらゆる動物は、方舟に保存されていた細胞から再び創造されました。
洪水の後、これらから地上の諸国民が分かれたのである。『創世記』10章32節
しかし、知性の最も優れた民であるイスラエルの人々は、目覚しい進歩を遂げ、追放された創造者たちの助けを借りて、まもなく宇宙征服を企てるようになりました。追放された創造者たちは、人間を創造者たちの惑星に赴かせて、人間が知性的で科学的に進んでいる上、感謝の念に満ち、平和を愛好しているのだということを創造者たちに示し、赦しを得たいと考えたのです。そこで彼らは、巨大なロケットを建造しました。それがバベルの塔です。
彼らはすでに、この事をし始めた。彼らがしようとする事は、もはや何事もとどめ得ないであろう。『創世記』11章6節
私たちの惑星の人々は、それを知って恐れを抱きました。彼らは地球をずっと監視していたので、地球の生物が滅亡していないということを知っていたのです。
さあ、我々は降って行って、そこで彼らの言葉を乱し、互いに言葉が通じないようにしよう。こうして、ヤーウェが彼らを、そこから全地の面に散された。『創世記』11章7・8節
彼らはやって来て、最も優れた科学的知識を持っていたユダヤ人たちを捕え、追放された創造者たちは赦され、彼らの惑星に帰る権利を与えられました。そして、自分たちが行った素晴らしい創造について弁明しました。このため、彼方の惑星では誰もが、創造物の住む地球について注意を払うようになりました。
しかし、分散させられた人間たちの中には、復讐を念じている者もいました。彼らは集まり、いくつかの科学的秘密を回収することができたので、ソドムとゴモラの町で、自分たちを滅ぼそうとした者たちを懲らしめる遠えんせい征に出ようと、準備をしたのです。創造者たちは、何が準備されているのかを調べるために、ふたりのスパイを派遣しました。
そのふたりの御使いは、夕暮れにソドムに着いた。『創世記』19章1節
人間たちはスパイを殺そうとしましたが、ふたりの持っていた携帯用の核兵器で盲目にされてしまいました。
彼らは人々を老若の別なく打って、目を眩ました。『創世記』19章11節
ふたりは平和的な人たちに、原爆で破壊するので町から立ち去るように、と警告しました。
立って、この所から出なさい。ヤーウェが、この町を滅ぼされます。『創世記』19章14節
人々は誰も、原爆が何を意味するのか想像もつかなかったので、町を離れ去るのにあまり急ぎませんでした。
逃れて、自分の命を救いなさい。後ろを振り返って見てはならない。どこにも立ち止まってはならない。『創世記』19章17節
そして、ソドムとゴモラに原爆が落とされました。
ヤーウェは、硫黄と火とを、天からソドムとゴモラの上に降らせて、これらの町と、すべての低地と、その町々のすべての住民と、その地に生えているものをことごとく滅ぼされた。しかし、ロトの妻は後ろを顧みたので、塩の柱になった。『創世記』19章24〜26節
現在のあなたがたなら分かるように、原爆による火傷は、近くにいる人を死に至らしめて、塩の像のような物にしてしまいます。
そのあと創造者たちは、イスラエルの民、とりわけその指導者が創造者たちに対し、変わることなく好感を抱いているかどうかを知ろうと思いました。「知性の優れた人たち」の大半が滅び、イスラエルの民は再び、半原始的な状態になっていたからです。
アブラハムが自分の息子を生け贄にしようとした時の逸話は、このことを描写したものです。創造者たちは、彼らに対するアブラハムの感情が、十分に強固なものであるかどうかを試そうとしたのです。この試みは幸いにして成功しました。
その子に手にかけてはならない。また何も彼にしてはならない。あなたがエロヒムを畏れる者であることが、私は、いま分かった。『創世記』22章12節
さあ、今日はここまでにしましょう。これまで私が話したことを、理解・整理して、すべて書き留めて下さい。明日は、もっとお話ししましょう。
その小さな男の人は、改めて私に立ち去る挨拶をしてから、宇宙船は静かに上昇していきました。今度は空が澄み渡っていたので、私はそれが飛び去って行く様子を、余すところなく見て取れました。
宇宙船は約400メートルの高さで停止して、音を一切立てることなく、熱せられつつあるかのような赤色になり、それから白熱の金属のように白く、そして、とても見つめていられないほどの巨大な火花のような青紫色となって、全く見えなくなってしまいました。
コメント