マーケティングにおいて一番大切な事は、顧客にとっての価値、利益、恩恵から考える事です。例えば、売り手にとっての商品がドリルだとします。顧客にとっての価値は穴です。穴を開ける道具ならなんでもいいのです。売り手になると、この事をついつい忘れてしまいます。マーケティングとは顧客にとっての価値を売り、その対価として顧客からお金をいただく事です。
顧客の価値、利益、恩恵にはどんなものがありますか。早い、便利、うまい、優越感がある、特別扱いされている、名誉を感じる、ステータスがある、思い出になる、記念になる、収納力が高い、持ちやすい、丈夫で壊れにくい、アウターサービスが良い、かっこいい、達成感がある、など色々あります。
顧客の価値とは人間の欲求、欲望です。もっと成長したい。自分の思う通りに生きたい。自分のこだわりを貫きたい。充実感を味わいたい。ストレスを発散したい。名誉が欲しい。見せびらかしたい。チアホヤされたい。異性にモテたい。家族と楽しい時間を過ごしたい。お金が欲しい。駅から近い家に住みたい。美味しいものを食べたい。
人間はこのような欲求を満たすために、お金を払って何かを買います。ならば、このような欲求を満たしてあげるものを売ればいいという事になります。
求める価値、利益、恩恵は顧客によって異なりますので、顧客市場を細分化し、それぞれの価値を実現して行きます。細分化する方法は性や年齢で分けたり、心理や行動で分けたりします。細分化された1つをセグメントと呼びます。分ける事ができましたら、売りたいセグメントを決めます。例えば20代女性に絞ってこの商品を売るなど。どのセグメントに絞ればいいでしょう。その市場は大きいか、自分の強みが生きるかどうか、切実にその商品を必要としているかどうか。
セグメントが決まりましたら、次は戦略です。商品の価格は他社と変わらないが、値段は安く手軽に利用できる、手軽さを重視するか、値段は高いが商品の品質を重視するか、値段は普通でお客様の様々な要望に対応し、お客様との密着度を重視するか。この3つの差別軸のうち、どれに決めるか、非常に大きな決断となります。これによって経営の多くの要素が決まります。
顧客に対して価値を提供するのに、どのような手段を取ればいいでしょう。どんな価値を売るのか、それが製品やサービスになります。価値を伝えて買ってもらうための方策として、広告や販売促進があります。どこで買ってもらうか、それが販路やチャネルになります。店舗、営業マン、代理店、自動販売機、通信販売などがあります。価格をどうするか、価値が高ければ価格が高くても買うし、価値が低ければいくら安くても買わない。顧客は価値の対価として、価格の高い安いを判断します。
いろいろ書きましたが、一番大切なのはお客様への思いです。
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