ミャンマー、クーデター

その他

 2021年2月1日ミャンマーにてクーデターが発生しました。国軍による市民弾圧が続くミャンマーでは、数十人の子供を含む700人以上が犠牲者となっています。一体何が起こっているのでしょう。

 軍隊による軍事クーデターで、国の与党、大統領の機能が停止させられ、実質的な支配を軍が行うようになりました。ミャンマー軍隊が政権を掌握しています。

 アウンサンスーチーさん、与党の実質的なトップですが大統領ではありません。ミャンマーの憲法が非常に特殊なのです。2008年に制定されて憲法、この憲法をアウンサンスーチーさんは改正しようとしていました。憲法改正に関して争っていたのがミャンマー国軍と英雄の娘、アウンサンスーチーさん。この権力争いの中で起きたのが今回のクーデターです。

 この憲法、軍隊が選挙で負けても権力を譲りませんという憲法です。主要3省を軍が支配しています。国防、内務(警察、警務官、刑務所)、国境などです。緊急事態には大統領は全権を軍に移譲する事ができます。

 何を持って緊急事態とするのか?これが、あやふやだと、いつでも発動できてしまうのです。今回の自体が緊急事態だと言っているんですが、緊急事態を起こしているのが、軍です。クーデターに理由を付けやすい憲法になっているのです。

 憲法の改正が大変で改正する為には4分の3の賛成が必要です。ところが、4分の1が軍人議員枠というのがありまして、4分の3を超えたいんですけど、4分の1がガッツリ指定席になっています。4分の1の軍人が何人か裏切らないと4分の3を超える事はできません。

 配偶者が外国人である場合、大統領になれません。アウンサンスーチーの夫はイギリス人。つまり、アウンサンスーチーは大統領になれないという憲法です。近い将来、アウンサンスーチーの党に大敗する事がわかっている、からこその憲法なのです。選挙で大敗する事が想定された要塞憲法。

 ミャンマーの歴史を見ていきましょう。1853年イギリスがミャンマーを植民地化しました。1904年日露戦争で日本が勝ちました。この事により、アジアが勝つのかという機運が高まり、ミャンマーも独立したいと考えるようになります。イギリスから独立したいという気持ちを利用したのが日本です。
 日中戦争の最中、中国の蒋介石を追い込みきれずにいました。欧米は中国に支援物資を送っていましたが、日本はそれを押さえる為にまずミャンマーを抑えたかったのです。

 日本軍はミャンマー独立部隊30人を特訓します。独立部隊の中にリーダー的存在のアウンサン将軍がいました。
イギリスを追い出し、日本はミャンマーを制圧する事ができたのですが、ミャンマーは独立とは違うという事で、アウンサン将軍は今度はイギリス軍と日本軍を追い出しにかかります。そんな中、日本は第二次世界大戦で敗戦し、イギリスも力を失い数々の植民地から撤退していきます。独立するという、アウンサン将軍の悲願が達成されたのです。

 独立の約束を取り付けて、来年独立するという、ちょうど一年前、内部での権力闘争に巻き込まれます。独立した後、誰が権力を持つか、アウンサンじゃないかと言われている中、1947年、独立直前に暗殺されてしまいます。その後、建国の父、悲劇の英雄として崇めたれ祀られます。アウンサンの死亡によりミャンマーは大きく変わっていく事になります。軍のトップ、メーウィンが仕切って社会主義国になっていくのです。

 社会主義と言っても、ビルマ式社会主義でマルクスというよりも、仏教国なので、仏教の思想の元に平等にという感じでした。社会主義が理想的に見えたのですが、私有財産を国有化し、一党独裁、これが、ビルマ式社会主義です。
 メーウィンの社会主義が25年間維持され、これが経済的疲弊を産みます。競争が行われない事により、いい商品が生まれない。アジア最貧国へと転落し、経済的にボロボロになって行ったのでした。

 アウンサン将軍が暗殺された時、アウンサンスーチーさんは2歳、その後、イギリス、インドに行きます。大学はインドですが、その他は全部イギリスで、20年過ごします。ミャンマーの衰退の時代にミャンマーにいません。そんな中1988年民主化の運動が激化して行きます。

 軍部の人が病気になるとシンガポールに行きます。医療のレベルがミャンマーは低いということを支配層が知っているからです。タイのデパートに行くと冷房が効いている。ところがミャンマーのデパートには冷房が付いていません。そいうことを支配層も知っています。このまま貧しいままで恥である。体制を変えなければならないということを、上層部からも民衆からも声が上がってきました。

 1988年アウンサンスーチーさんがイギリスから帰国しました。お母さんが病気で倒れて介護しなければならな買ったのです。民衆はリーダー存在がなく、暴徒化していました。アウンサン将軍の娘さんにリーダーをしてもらえば、アウンサンスーチーさんは求められるままに演壇に立ちます。非暴力でやって行こうという事になりますが、軍部はクーデターを起こし、ねじ伏せられてしまいます。国際的に批判を受けるのですが、その後、選挙やるからと言って国際的な批判を免れます。

 アウンサンスーチーさんの率いる政党、国民民主連盟(NLD)。この政党、参加しているけど大した事ないだろうとのが軍部の思惑だったんですが、大圧勝します。

 軍はこの選挙は不当であると言って、NLDを逮捕、拘束します。この選挙結果は有権者の半数に満ちていないから国民の民意を反映していない。投票が終わってから言い出しました。投票の中の半数以上は取っていたんですが。日本だって投票率低いです。その中で勝っても国民全体から見れば少ないわけです。

 アウンサンスーチーを軟禁します。監禁ではなく軟禁、家から出るなよという状態です。ものすごい長い時間軟禁されたままです。選挙に勝ったにも関わらず軟禁されます。アウンサンスーチーさんは決して主張を曲げませんでした。その結果、1991年ノーベル平和賞を受賞しました。

 軍は次、選挙したら絶対負けるのがわかっていたので憲法を固め始めたのです。1992年タンシュエ独裁政権に変わり、堅牢な憲法を作り上げました。

 2011年、スーチーさんを解放しますが、その数日前に選挙を行いました。これで大統領になったのがテンセイン。
民生移管したよと対外的に見せました。

 経済制裁を受け、国際社会からの批判を受け、このような貧しい状態を脱出する為には、民主化をしているぞ、という手段を取らなければならなかったのです。軍の特権は維持し、民主化しているんだという動きを国際社会に表明しなければなりません。

 テンセインは国際社会が思っている以上に民主化しました。軍部の中は一枚岩ではなかったのです。軍部の中にも民主化しないとヤバイと思っている人は何人かはいるのです。しかし、その人が頭角を現そうとすると潰されてしまうのです。

 テンセインは軍部の権威を解体していきます。検閲を廃止、多重為替の廃止をしました。為替レート、これが人によって違います。

 海外企業がミャンマーに進出した場合に、ミャンマーとの企業と合弁会社を作りましょうという事になります。お互い出資するわけですが、海外企業の方が多く出資しているのに、為替レートが低く設定されているので、国内の出資の方が多くります。ずるい、やり方です。それによって海外企業が来づらい国になりました。軍は甘い汁を吸えるけれども、国力自体は弱まります。
 という訳で、為替レートを同じにしますので、海外企業の方、どんどん入って来てください、というようにしました。そして、アメリカからの経済制裁が解除されました。2010年代、東南アジアの経済が発達して来た時代であります。

 アウンサンスーチーさんは自分が大統領になる事を決してから、手を緩める事はありませんでした。そして2015年 選挙。テンセイン対アウンサンスーチー。アウンサンスーチーは国民の理由のない期待で圧勝します。でも大統領にはなれません。そこで、大統領よりも上の国家顧問というポストを作り、大統領よりも発言権のある人としてNLD政権が始まったのが2015年。

 しかしながら、軍事政権の方が優秀な人が多く、NLDの議員は若く、虐げられていた人たち。実務をやらせれば軍事の人の方が上です。そして、2期目がやってくる。アウンサンスーチーさんの国際的な批判も高まっていたのがロヒンギャ問題です。

 ミャンマーは仏教国です。しかし、ミャンマーに住む少数民族のイスラム教徒がいます。仏教徒とイスラム教徒 相入れない関係にあります。イスラム教の人と結婚するとイスラム教徒になってもらうという文化がありまして、仏教徒の人達は恐れをなしています。イスラム教がどんどん増えて、仏教が飲み込まれるんじゃないか。国家、よりもイスラム教を重んじる。世界的には仏教は少なく、イスラム教の方が圧倒的に多い。ミャンマーはイスラム教徒に対して非常に警戒心が強いです。

 軍がこのロヒンギャを虐殺しているという事に対して批判が高まりました。アウンサンスーチーの声明が求められ、非暴力を貫いきます。軍部に対して批判をするのですが、逆に仏教徒から批判を受けました。

 アウンサンスーチーさんの目標は憲法改正。これを達成する為には、軍以外を完全に固めて、軍の中から裏切りが出て、始めて憲法改正ができます。仏教徒を敵に回すと、完全に憲法改正の悲願は達成できません。その結果、アウンサンスーチーは口をつぐむようになります。それが国際社会からものすごい批判を浴びます。

 どうしちゃったの?変わっちゃったの?ノーベル平和賞剥奪か?優先しているのは国の民主化であり、憲法改正。
そして、第2期の選挙。人気を落とすのではないかと思っていましたが、圧倒的な人気で圧勝します。

 軍部の幹部が騒ぎ出します。選挙に不正があったのではないか。いよいよ憲法が改正されてしまうのではないか、という焦りが高まったのではないか。2021年2月1日からスタートしようと思ったところ、軍事クーデーターが勃発
再び、アウンサンスーチーさんは拘束されてしまいました。

オーラルWスター

GORO

GORO

プログラマー歴40年、63歳、上場会社で嘱託社員として働いています。直腸癌にて癌摘出手術を行い、人工肛門、ストマ生活、閉鎖、脱肛、便失禁となりました。

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP